「売り手市場」到来!これは就職,転職に有利なのか!?
人手不足からくる「売り手市場」と就職,転職について、売り手市場は働き手にとって有利な状態なのか?
まず、売り手市場とは何なのか?“売り”とか“買い”と聞いて一番身近なのは商品の売買ですよね。
商品の場合、
- 商品を売って、お金を得たい お店 = 売り手
- 商品を買って、お金を払うお客 = 買い手
となります。ここで『お金』の動きに注目して、雇い手(会社)と働き手に当てはめてみます。
- 労働力を売って(就労)し、お金(給与)を得たい 働き手 = 売り手
- 労働力を買って(雇用)し、お金(給与)を払う 雇い手 = 買い手
よって、「売り手」は働き手となります。
そして「売り手市場」とは、
会社の雇用したい枠に対して、働き手が不足している状況,売り手(働き手)にとって有利な市場であることをいいます。
ここまで確認したらわかっちゃいますよね(笑)
売り手市場は働き手にとって有利、すなわち就職,転職に有利なのです。
ただ、「今がチャンスなんですよー。」といわれても、何がどうチャンスなのか?いまいちピンときません。
どういった業種が一番人手不足なのでしょうか?
それを知れば、どの業種の仕事がチャンスといった具合に、働き手にとっての指標となります。
(この記事は2018年11月に書かれています)
中小企業庁(http://www.chusho.meti.go.jp/)による調査では以下のようなグラフになっています。
※中小企業を対象とした調査です。
物事の良し悪しを見るためのDI推移ですから、
- +値は、買い手市場
- 0 値は、過不足のない状態
- −値は、売り手市場
として見ます。
見やすいグラフですね。一目瞭然です。
売り手市場Best3とでもいいましょうか。
- 1位:建設業
- 2位:サービス業
- 3位:製造業
土木建築に関する工事で、建設業法に規定する建設工事の種類にある工事の完成を請け負う営業。
日本標準産業分類のひとつで、品物ではなく形にないもの(サービス)を提供する業務。
飲食業や旅館やホテルなどの宿泊業、人材サービス、ブライダルサービス、自動車整備業、広告業など。
原材料などを加工することによって製品を生産・提供する産業。
となっていることがわかります。
3位製造業は、全産業の推移よりは+側に推移してますので、大別では、建設業とサービス業が人不足感が強いと見れます。
前述した、“どういった業種が一番人手不足なのでしょうか?”
の答えは、建設業となりますね。
別の角度から見る売り手市場
売り手市場について直接的な見方ではないのですが、せっかくですから時間(横軸の年号)に目を向けてみましょう。
グラフからは2008年ごろから人手充足(働き手が足りている,溢れている状態)となり、2011年ごろから、人手不足へ転換したように見えます。
これ実は2008年でも人手不足の気配はあったんです。
2008年には何があったでしょう?投資などに興味のある方はピンとくると思いますが、そう“リーマンショック”が起きたんです。
リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LehmanBrothersHoldings Inc.)が経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ。
出展先:ウィキペディア
これにより、世界的に経済が不安定となり、日本においても不景気となりました。
不景気となると経済は低迷するので、人手が余ってしまうのです。
その2008年から景気が回復し始めるまで3年以上の時間を必要としました。
そうして景気が落ち着きを取り戻したころから、人手不足が一気に顕在化した訳です。
ですから2018年現在、急激な変化に充分な対応がとれないまま、深刻な人手不足状態となっているため、業界は混乱しているともいえます。
建設業がもっとも深刻とみたわけですが、この業界では、
- 福島復興支援
- 東京オリンピック・パラリンピック開催準備
- 2025年大阪万博開催準備
など、建設業がメインの大きな仕事があります。
主観ではありますが、これらに対応しきれるほどの人手が果たしてあるのか不安を感じます。
人手を求めている会社にはチャンスがあるとの見方も、逆に人手不足過ぎて一人に対する業務量が過酷であるとの見方もできる思います。
いつかくるかもしれない選択のとき、あなたにとって必要なのは“広い視野から得る、たくさんの正確な情報”といえるでしょう。
さいごに
この働き手の不足。売り手市場ですが、今後5年間はまだ人手不足が続く,さらに深刻化するとも言われています。
毎日の仕事から少し視野を広げてみると、あなただけに見える“チャンス”があるかもしれません。
前述したとおり“リスク”もあるので、この業種の、こんな会社がオススメなんて無責任なことは言えませんが、この世間の状況を知ることなく、日々の業務にただ追われている現状としたら…。
それはもったいないとだけは言えます。何か行動しようとするときに必ず必要となるのは“情報”ですから。