[メンター制度」メンタリングとは
新入社員や若手(ビギナー)に対し、会社や配属部署における上司とは別に指導・相談役となる先輩社員が新入社員をサポートする制度として多く導入されています。
単に先輩・後輩の関係であったり、教育者・新入社員の関係であったりと呼び方は様々ですが、コーチングやOJT、心のケアなどを一括りにされたものと考えていいと思います。
OJT(オー・ジェー・ティー)
「On the Job Training」の略。現場での指導を指す
ただし「メンタリング」とは、メンター(指導者)が直接「指示や命令」等で教えることではなく、「関係性の質」が重要視されます。
メンタリングのために資格や免許などが必要ではなく、支援したいという気持ちで、対話によってメンティ(被育成者)に気づきを与え、本人の自発的な成長を促していくことが大切なのです。
今現在、メンター的立場にある方はもちろん、新入社員や若手(ビギナー)即ち、メンティ(被育成者)であっても先に知っておくことをオススメしたいのです。
ただただ教えられている環境よりも、メンター(指導者)のねらいを知った上で教えられてみる環境とすれば視点が広くなってゆとりを持てます。
例えば、先輩に質問したら「あたなはどう思う?」「どの選択がいいかな?」「その理由は?」と、どっと質問が押し寄せてきて、
「質問したことに答えてくれるだけでいいのに。」とか「こう毎回質問で返されたら、次から聞きづらくなってしまう。」と思うようなことがあったとしましょう。
そこでメンタリングについて少し知っていたら、「あ!逆質問という手法を使って、時間を使ってまでこちらに考えさせようとしているんだな」と余裕をもって考えることができます。
仕事を楽しむために、少しメンタリングについて知っておくのも悪くはないと思います。
メンターの目的 3つのこと
@メンティの能力向上(キャリア促進)をはかる
メンターは、メンティの能力向上(キャリア促進)をはかる目的があります。
- メンティのガーディアン
- メンティの師匠
- メンティの火付け役
メンティの守護者、また後見人としてリスクから守り、会社の上位者に活躍をアピールする。
教育,訓練により、メンティの知識・スキル・規範を教える。
挑戦しがいのある仕事を割り当てて、やる気を起こさせる。
Aひとりの成熟した人として、メンティの心の支えとなる
- メンティの受容
- メンティのカウンセラー
- メンティの仲間
一個人として尊重し、全てを肯定的に受け入れて興味をもつ。
心配事や悩み事の相談にのる。
同じ時代を生きる仲間として交流する。
Bメンティを成長させるべく考え,行動することでメンター本人が成長する
- マネジメント能力向上
- 達成感の共有
- 人をみる能力向上
仮に若くてもメンターとして接することで、マネジメントの疑似体験ができる。
メンティを支援,成長させることで、メンティと同じく達成感を共有することができる。
メンティをとおして、「感情」「心理」「才能」をみる能力が向上する。
メンタリング 4つの手法
@逆質問
出された質問に対しすぐ答えを提示せずに、逆に質問をして相手に考えさせることで成長を促す
実際に、即答の方が時間を節約できるが、根気良く考えさせることで相手を大きく成長させることができる。
Aビジョニング
メンティとともに、長期的な視点で夢・希望を話し合って「ビジョン(理想像)」を共有する
ビジョンを目指す目標を一緒に設定することで、一体感が生まれる。
B褒めまくり
「褒められる=嬉しい」心理をついて、文字どおり褒めまくる
嫌味に聞こえないように注意して、褒めて伸ばす。
Cアサーション
「人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張
自分にも、相手にも権利があるので、怒りの感情をぶつけるのではなく、「私はこうしたかった。」と理由を伝え、「あなたはどうしたかったの?」と相手の要求も尊重した上で理解を求める。
さいごに
すでにメンタリングについて知っていることを、先輩などのメンターに悟られてはいけません。
なぜか?もし私なら、「やりにくくてしょうがない」からです(笑)
だって知らないと思って教えているのに、見透かされてるとしたら恥ずかし過ぎます。
仮に新入社員や若手(ビギナー)がメンティとしてツライ思いをするとしたら、少しでも楽しめたほうが良いとの視点でオススメしたのであって、一生懸命教えようとしてる先輩を暗にイジメてしまうなんてことのないようにお願いします。
あなたがもし、部下や後輩をもつことになったなら、例え「メンター制度」といったハッキリした決まりがなくても、メンティとして接して部下,後輩の一番の理解者であげて欲しいと思います。
間違っても、「何かと否定する」「活躍を妬む」「手柄を横取りする」「自分のための踏み台にする」などといったことがないようにお願いします。
こういった人、残念ながら少なからず存在します。悲しいことです。
時代の流れとともに、社員一人ひとりに主体性が求められるようになっていきます。そしてストレスも多い時代です。
これからもまだまだ変化していく時代だからこそ組織には「真のメンター」が確かに必要なのです。