“転職”について考える
“転職” 一昔前なら「一世一代の大勝負」というくらい大きな決断でしたが、時代の流れとともにキャリアアップのための転職には前向きな見方が広がって来ています。
終身雇用,年功序列を色濃くしてきた日本社会は、まだ海外に比べ遅れをとっているようですが、年々少しずつ柔軟になってきていると感じます。
それでも社員である以上は、バイトのように軽く働き先を変えれる訳ではありませんよね。
現状が一変するかもしれない、そんな転職のタイミングについて考えてみます。
今の気持ちは「前向き」?それとも「後ろ向き」?
前向きな姿勢,熱意がある
チャレンジ精神を秘めている。「…したい!」
- 専門性を高めたい
- 新たな分野にチャレンジしたい
後ろ向きな姿勢,熱意がない
背景に不満が滲んでいる。「…が嫌だから。」
- 人間関係
- 処遇,待遇
ありきたりなことを敢えて言いますと、
後ろ向きな状態では、転職はやめておいた方がいいと思います。
後ろ向きな状態は、輝いていないからです。
輝いていない人材を、わざわざ欲しいと思う会社は無いでしょう。
必ず相手先の面接官に聞かれます。
「我が社を選んだ理由は?」
この回答に迷うことになります。
嫌だから会社を辞めたいのです。
熱意をもって次の会社を選べてないのです。
想像してみて、迷うかもと思ったら「自分には熱意がない」「輝いていない」という現実を受け止めましょう。
転職を一切諦めて下さいとは言いません。
そのタイミングではないとだけ伝えたいのです。
背景にある不満には、人間関係でも処遇・待遇でも一度ぶつかりましょう。
言いたいことを伝えて行動を起こすのです。
その結果、解決するかもしれませんし、例えダメでも気持ちがスッキリしてやりたいことが見つかり、その時は前向きな姿勢となっているかもしれません。
逆に、熱意があれば採用に強いです。
受け答えに少々ミスがあったとしても、相手先の面接官も採用のプロです。
あなが輝いていれば採用を決める可能性は高くなります。
今の自分は輝けていると思う方
今現在、やる気に溢れて仕事に向き合えている方は、輝いていますよね。
そんな方はやりがいもある状態ですので、転職のことなど考えていないかもしれません。
今が楽しい状態に水を差す気はないのですが、一度は世間的視点の自分の価値について考えてみて欲しいと思うのです。
仮に他社からあなたを客観的に見たとき、
- 同等の価値と見られるのか?
- それとももっと上なのか?下なのか?
といった視点です。
そうすることで、他の会社のほうが更に輝ける可能性に気づくかも知れませんし、逆に今の会社が将来的にも一番と再確認できるかも知れません。
よりいっそうの成長の為に、広く、客観的な視点をもつことは良い事だと思います。
イレギュラーな状態
上記の熱意の有り無しの考えの他に、少し変わった状態について補足します。
今の仕事に対する熱意はあり、結果も出しているが…
正当な評価を得られてないと感じる
今は輝いていたとしても、時間とともに熱意を失っていきそうで怖い。
正当な評価の観点に、社と本人の見方にズレがないか、言うべきことは言ってハッキリさせましょう。
その上で納得できなければ、転職は有りです。
熱意を失っていくのを感じながら、そこに居続けるのは勿体ないからです。
社内恋愛のもつれで何かと気不味い
人間関係に入るのでしょうけど、これは特殊です。
特殊ですけど、実はこのパターンは結構見ます(笑)
のめり込む前に先々のリスクについて考えるべきですが、なかなか難しいかも知れませんね。だって人間だもの(笑)
この場合は転職をオススメします。
余計なことを考えたくないから仕事に打ち込めるといった見方もありますが、ずっとソワソワする可能性もあります。
時間が解決するとの考えもありますが、もしかすると「見たくないもの」を見て再度苦しむかも知れません。
※耐え切った場合は、最強のハートを手にする可能性はあります。(時間とストレスを代償に)
時間以外の解決策が無い場合は、転職を考えてみましょう。
勿体ない時間の使い方をするよりは良いと思います。
私のみてきた限り、このパターンに陥る人は仕事の能力が高いです。危ない橋を渡るだけの魅力もあるのでしょう。
みなさん次の職場で輝いています。
もちろん、辞める理由は、「新しいことにチャレンジ!」と胸を張って言ったそうです(笑)
器用ですからきっとすぐに、逃げの口実ではなくなって、本心で熱意をもって言えるのでしょう。
企業規模別の離職理由
下表は、会社規模(従業員数)別の離職(退職)理由について示されています。
出展:中小企業庁「求職者の就業動向と離職・入職の理由」より
「定年・契約期間満了」は除いて、割合が多い順にみてみますと、
- 「収入が少ない」,「労働条件が悪い」
- 「会社の将来が不安」,「会社の都合」,「職場の人間関係」
- 「仕事の内容が不満」,「能力・個性・資格を生かせない」,「結婚・出産・育児・介護・看護」
となっています。
おそらくこのデータは匿名アンケートなどにより、離職(退職)経験者の本音を聞き出せていると思います。
離職(退職)するときに、この本音を会社側に伝えたかどうかは不明ですが、「不満」ととれる理由が上位にきています。
(「会社の都合」が10%程度もあるのが納得し難いですけど)
結局のところ、「収入面の不満」、「労働条件」、「職場の人間関係」といったことは、多くの人が抱える悩みで転職の引き金に成り得るんですよね。
主観ですが、将来、「結婚・出産・育児・介護・看護」の割合が減って、「能力・個性・資格を生かせない」といったチャレンジ的要素の割合が増えたりするといいなと思います。
あと、規模別の視点から分かるところをピックアップしたいと思います。
「収入が少ない」「会社の将来が不安」「会社の都合」「職場の人間関係」といった理由を見てみますと、
会社規模が小さいほど、割合が大きくなっています。
これらの理由は、大企業よりも中小企業の方が悩みとして大きいということです。
特に「職場の人間関係」は、少人数の方が問題なのだと見て取れます。
やはり顔を合わせる範囲が狭いと人間関係は難しくなるようです。
最後に
働く一人一人が、転職などを利用して自由にキャリアアップを図れて、会社体質もそれに合わせて柔軟に応じれるようになれば、社会はもっと伸びると思うんですけどね。
終身雇用,年功序列時代を生きてきた方々がまだ残っているので方向転換もなかなか難しそうです。
反面、今設立されているような新しい会社は正に今どきの体質であることが多く、柔軟で、社員のモチベーションに気を配っていますよね。
この社会が、もっと伸び伸びと働ける環境に成長していくことを願っています。