面倒だけど作ることが多い「議事録」作成のコツ
新社会人やビギナー社会人にとって、作る機会の多い文書、「議事録」の作成についてご紹介します。
議事録とは、会議や打ち合わせの内容を残し、そこで何が議論され、結論として何が決まったのかを明確にする文書。
この文書は、関係者に回覧し合議を得て、記録として保管されることが多い。
そしてこの議事録は、会議や打ち合わせのやり取りをメモに書きとめつつ、要点をまとめて、会議終了後速やかに作成,回覧するものであり、少々面倒くさい仕事です。
ですから先輩や上司の方に「会議の流れを覚えるために」「文書作成の勉強として」と言われて新社会人やビギナー社会人に振られ易い仕事にもなっています。
会議参加者のうち、一番の若者が作成するということを暗黙のルールとされているところも多いようです。
先輩や上司に「打ち合わせをするので、君は議事録をよろしく。」と言われて、憂うつに感じることってないでしょうか?
私は最初のころは、ハッキリいって憂うつでした。
最初のころは、憂うつ
なぜそうだったか考えてみますと、
はじめに、
議事録の完成形がイメージできていない
なので、
効率よくメモを取れずに、打ち合わせ内容に集中できない
そして、
不出来なメモを頼りに、白紙に筆を走らせる。(白紙Wordに打ち始める)
さらに、
要点を抑えれてないので、文章が長くなり読みにくい議事録が完成する。
最後に、
先輩,上司からコメントをくらい、書き直す。
そりゃ、憂うつですよね。もちろん楽しくないです。
最初のころは、憂うつ。
そうなんです。繰り返していくうちに、慣れてくるのです。
ここで、「コツとは慣れ」なんですよ!なんて投げやりなことは言いません。
ベテランでも慣れない人は、いつまでも慣れないですからね。
ポイントを抑えることで早く慣れるのです。
議事録作成のコツ
上手な議事録作成はポイントを抑えた上手なメモを取れるかどうかなのです。
上手なメモを取るために、議事録の理想の形を手にしている状態で会議に臨みます。
議事録の完成形はフォーマットとして、予め決まっているものと考える。
フォーマットが用意されている会社もあります。
議事録の作成年月日
和暦(平成○○年など)か西暦(20○○年))どちらが会社のセオリーかも確認して記載します。
回覧のあて先
(紙でコピー配布、印鑑リレー、メール送信などは、会社次第)
各位や、関係各位で表現されることが多いです。
ちなみに“各位”という言葉は、単体で「皆様」という敬称の意味があるので、各位に“様”はつけずに。二重敬語になります。
作成者所属と氏名
会議の題名(議題)
会議開催日時
○○年○月○日(曜日) 午前○時から○時
会議出席者
参加した人を役職つきで漏れなく記載。上位者から順に記載するのがマナー。
自分の名は最後に書き、(記)を後ろに付ける。
議事録を作る予定の先輩などを見る機会があれば、最初にキョロキョロしているはずです。
参加者全員の名前をメモしているんですよね。
議事内容
自由記載
と、ここまでフォーマット化されているケースは少なくありません。
これらは誰もがお決まりのように書くことなので、特に悩むこともないかと思います。
文章で説明すると長く感じますが、ここまでを作成してみると↓な程度です。
議事内容以降もフォーマット化
前段はお決まりとして記載できますが、議事内容以降は自由に書ける場合が多いですね。(細かく議事内容の書き方までは用意されていない)
議事録の内容を白紙(空白スペース)に書き込もうとするだけでも結構な労力なので、ここから更に自分なりのフォーマットを決めてしまいます。
会議中は、これに従ってメモをとれば、要点を抑えやすく、後から議事録が作成し易くなります。
議事内容
下記(1)から(5)の項目名は議事録用ではなく、要点を抑えるための自分のメモ用指標です。
※発言者が一人とは限りませんので、誰が言ったかも忘れずに。
(1)会議の目的または概要
最初に会議の目的などが話されますのでメモします。
場を和ませるために、違った話題から入る場合もあります。騙されずに(笑)
(2)目的の背景
目的と同じに話されるかもしれませんが、なぜ会議が開かれているかの理由についてメモします。
後から出席者でない人から「そもそもなぜこの会議は開かれたのか?」などといった質問があったりします。
「そもそも論好き」な人への対処としても効果的です。
(3)証拠の品
“エビデンス”ともいわれますね。納得を得るための調査(裏づけ)資料などが提示されて、特に大切なところについて説明されます。
ここでダラダラと説明されると、メモが大変なんですけどね。言いたいことは何か考えて簡潔にメモします。
ダラダラ説明に対して、間違っても「この資料で一体何が言いたいのですか?」などと口に出してしまわないように!
今は議事録勉強中の身なので、わざわざ敵を作るのは得策ではありません。
追々、公然と指摘できる日が必ず来ますので今は我慢です(笑)
(4)議論
メインイベントの議論です。色々な人の色々な意見が飛び交います。
(意見のない残念な会議もあるかもしれんませんけど)
質疑応答形式でひたすらメモします。(誰かの質問Q、誰かの回答Aの繰り返しメモ)
面倒なことに質疑応答を議事に残して欲しい出席者(会議で発言した証拠を残したい小者)もいたりしますので、いっそQ&A一覧として別紙参照にする手もあります。
ここの議論のなかに紛れて課題が出たりもしますので、課題も逃さずにQ&Aとは別にメモできるといいですね。
(5)結果の予備軍
議論が落ち着いてきたころから、結果に繋がるであろう予備軍がいくつか出てきますのでメモしておきます。
決定事項
(1)会議で決定されたこと
何が決まったかを明らかにします。
(2)なぜこの決定に至ったか
議論の部分で充分であれば書かなくてもいいですが、結果の予備軍が多数であったなら、取捨選択されての決定事項のはずなので、その理由を書きます。
添付資料
会議に使用された資料を添付します。
資料ナンバーを付与することで、文章中に(添付a寰Q照)、(別紙a寰Q照)と呼び出すこともできます。
今後について
今回の会議で決定したことを周知すれば完了なのか、周知した上で次の課題解決へ繋がっていくのか、はたまた今回決め切れずに日をおいて再度会議開催するのか、などについて簡単に記載します。
そして最後に「-以上-」と書きます。
2枚目へ進む場合は「次ページへ」「次葉へ」など、裏面へ続くの場合は「裏面へ」と記載して最後に「以上」を書きます。
議事内容以降を文字に起こしてみると↓のようになります。
体裁よく、より簡潔な例として書いてみました。
もっと細かく表現するとしても、上記のメモがあれば簡単に書き足せますね。かなり頑張ってメモしているはずですから。
より良い議事録作成へ向けての7つのポイント
この会議に出席できなかった人に、議事録で漏れなく情報を伝えよう。 メモに慣れてきたら、会議中は目的を意識しながら発言と流れを把握しよう。 ICレコーダー(ボスレコーダー)の活用は、自分の能力向上に繋がらないので控えよう。 情報を伝えるために、議事の経過が必要な場合もある。複数意見を傾向別に分けると効果的。 会議の後には「言った」「言わない」がつき物。問題・課題も明確に抑えよう。 「いつまでに」「なにをするのか」を明確にしてスケジュール感を表現しよう。 議事録は客観的視点で公正に記録されるもの。主観(個人)的な表現は不要。
最後に
議事録というものは、自分にとって納得のいく仕上がりであっても、それを見る人にとっての「趣味」視点でコメント,修正を余儀なくされることが多々あります。
「表現の仕方はそれぞれの趣味に左右される」ことをある程度認識しておくと、無駄にストレスを感じずに済みます。
自分専用のフォーマットとメモ取り能力があれば、どんな後出しコメントにも対応できます。苦手意識は払拭して、自信をもっていて欲しいのです。
「○○さんの議事録は、いつでも整理されてて見易いし、コメントにも柔軟に対応してくれる」と廻りに評価されるようにでもなれば自信もつきますし、会議のあるべき姿に意見できるようにもなりますよ!