基本的なビジネス文書の作成の仕方について

そもそもビジネス文書とは一体どのようなものなのでしょうか?

ビジネス文書とは、仕事をうまく進めるために必要な情報を関係者で理解して共有しあうための文書

をいいます。

仕事の進捗状況、課題、アイデア等を関係者(組織)内で理解しあえるようにしましょう。

 

ビジネス文書にはどのようなものがあるのか?

会社によりけりですが、ビジネス文書には例えば次のようなのがあります。

  • 議事録
  • 電子メール
  • 発注関連(請求書、納品書、伝票等)
  • 提案書、企画書
  • 出張報告書、業務報告書
  • 日報、週報
  • 各種届出 

 

等々、会社で運用される文書は全てビジネス文書となり、種類が豊富です。

 

最近は文書に対する品質向上の観点から、会社の指定するフォーマットに従って作成する機会が多いですが、内容の細部までフォーマット化されていることは少ないため、作成者により出来上がりに差が出ます。

しかし、基本的な書き方というのは大きな違いがないので、ここではひとつ基本的なビジネス文書の作成の仕方についてご紹介したいと思います。

 

文章の書き方

文書本文の文字サイズは、10.5ポイント以上

見る人を気遣って12ポイントとすることもあります。

 

同一文書内で常体と敬体を混用しない

常体:である体

敬体:です・ます体

ただし、敬体の文中においても『記』や『別紙』等については、常体を使います。

 

接頭語『お』、『ご』、『御』については、慣行となっている場合を除いて用いない

「お礼」や「お詫び」は、「お」があることが慣行なので使用しますが、「お会場」とはつけません。

たまに丁寧すぎて「おゴルフされるのですか?」なんて云う若者がいたりして面白いですが、原則つけません。

変な敬語でキャラがたって、可愛がられるようならアリですね(笑)

 

表題は、わかりやすく簡潔なものとする

表題はパッとみて、内容を理解できるものが良いとされています。なるべく短かく、書かれている内容を示せるといいです。

その末尾に「(通達)」、「(照会)」等のように文書の性質をあらわすことばを( )書きでつけても解り易くていいですね。

 

主語と述語は正しく対応させる

基本のキですが、あらためて読み返すと変な文章になっていたりします。意識して確認しましょう。

 

文章の書き方の注意点
  • 目的及び要点を簡潔明瞭にする
  • あいまいな表現及び二重否定(しないものではない等)は避ける
  • 読んでほしい対象者が理解しやすい内容にする
  • 誤解をまねく表現は避ける(正論であっても誤解につながる表現に注意)
  • 前提条件を明確にする
  • 古い用語、特殊な用語は避ける(格好つけて使う方がいますが、読みづらいです)
  • 句読点を正しく使う
  • 文と文のつながりを正しく対応させる
  • 段落の区切り、見出しを使用して見やすくする
  • 目次、見出しと内容を一致させる
  • 誤字、脱字のないこと
  • 所定の様式がある場合、それを正しく使用する
  • 5W2Hを適用し、もれなく対象者へ伝える
Who What Why When
だれが(主体、対象) なにを(主題) なぜ(理由、目的) いつ(日時)
Where How How much
どこで(場所) どう(手段、方法) いくら(コスト)      ―

 

 

漢字とかな文字

文化庁HPから、

漢字は、

  • 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)
  • 「公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号)

かなづかいは、

  • 「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示代1号)

を参考にすると、使うべき漢字、使わない漢字や、音読み訓読みで使わない読み方について確認できます。

常用漢字表の音訓索引 が便利です。(出てこないものはオススメしていないようです)

これらの文書は、

法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表すためのよりどころを示すものであり、
科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。(一部編集)

と前書きされています。

よりどころであり、強制力はないといったとこでしょうか。

よく読んでみると、PC変換で当たり前のように出る漢字でもひらがなで書くことを薦めていたりしてビックリしますが、勉強になります。

確かに、雑誌などを読んでいても「ここ“ひらがな”なんだ」と感じるときがありますよね。

「私は“常用漢字表”に従って文書を作成しています。」などと言えたら心強いです。

これらを参考に、いくつか確認しましょう。

 

常用漢字表に読みがないものは“ひらがな”で書くと良い
ひらがなで書く(○) 漢字で書かない(×)
あらかじめ 予め
いまだ 未だ
おおむね 概ね
かんがみる 鑑みる
こたえる 応える
すべて 全て
とどめる 留める、止める
はぐくむ 育む
ゆだねる 委ねる

 

用語の意味によって、漢字とひらがな両方を使うと良い
  • 「おそれ」
  • おそれ:「懸念」という意味で使うとき
    恐れ :「恐怖」という意味で使うとき

  • 「とおり」
  • とおり:「次のとおり」
    通り :「2通り、3通り」、「駅前通り」

  • 「いただく」
  • いただく:「○○していただく」
    頂く  :「物をもらう」

 

接続詞は、ひらがなで表記すると良い
ひらがなで書く(○) 漢字で書かない(×)
あるいは 或いは
したがって 従って
ただし 但し
なお
また

 

助詞や助動詞などの語句はひらがなで書くと良い
ひらがなで書く(○) 漢字で書かない(×)
○○において 於いて
○○ごとに 毎に
○○にすぎない 過ぎない
○○のため
○○できる 出切る
○○とともに 共に
○○など 等 (“など”ではなく、“とう”と読んでいる)
○○のほど
○○まで
○○ください 下さい

 

 

さいごに

 基本的なビジネス文書の作成の仕方について、ご紹介しました。

 文化庁の前書き同様に、“こう書くべきだ!”とはもちろん言いませんし、それぞれの会社のルールがあればそれに従うのが一番だと思います。

 あくまで、「わからない」,「迷う」ようであれば、“常用漢字表”だったりもひとつの参考として使えると思いますし、漢字が多すぎる文章をついつい書いてしまうという方にも効果的なひらがなの使いどころとして参考にしてもいいと思います。

 なによりビジネス文書は、相手に正確に情報を伝えることが最優先ですから、基本的な書き方を覚えつつ、相手の立場になって考えれば、良いビジネス文書となります。

 ビジネス文書も慣れれば苦労なく書けますし、良いキレイな文書を作成できれば楽しくも感じますよね。