@テーマの見つけ方
ここでいうテーマとは、何を作るのか?または、何を研究するのか?を決めるためにどういう考え方をして見つけるのか考えてみたいと思います。
仮にビジネスだったりしたら、ブレインダンプ※などといった手法があるのですが、今は宿題をクリアする程度で、なるべく簡単にクリアしましょう。
※ブレインダンプ:自分で気付かない才能(潜在意識のアイデア)を掘り起こす手法。興味がある方は調べてみて下さい。(少々キツイですがスッキリします)
お子さんと話してみる
ストレートに理科工作または自由研究で何がしたいか聞いてみて、答えてくれるお子さんであった場合は、何も困りませんよね。
後は、所要時間,準備品次第ですね。
ただし、お子さんが「絶対コレがしたい!」と目を輝かせていたら、もう親としては何が何でも「その想い叶えましょう!」と行動あるのみです。
そんな回答に恵まれた(?)方は、このページは飛ばしてオリジナル作品などを参考として下さいね!
では、ストレートな問いかけでは、なかなか答えられないお子さんには次のような問いかけをしてみて下さい。
「何か欲しいものある?」
「不思議だと思ってることある?」
「不便と感じることある?」
そして、お子さんの答えの中からテーマを見出します。
例えば、
親「何か欲しいものある?」
子「ゲーム」
…いきなり困りますよね(笑)まだ諦めません。
親「どんなゲーム?」
子「カーレース」
きました!車でレースできるものには興味がありそうです。
なるほど。と少し考える時間を取ります。
- 作れそうかな
- 準備品にはいくらぐらいかな
- 所要時間はどれくらいかな
- 完成イメージはどうかな
「テレビゲームではないけど、一緒にカーレースを作ってみよう」と誘って、ノッてくれればお子さんのモチベーションを維持しつつ、ものづくりに取りかかれると思います。
ここで、テーマは理科工作で「カーレース」とできそうです。
他にも、
親「不思議だと思ってることある?」
子「10円玉はどうして光ってるのと、黒っぽいのがあるの?」
とくれば、
テーマは自由研究で「銅の酸化現象」としたり、
親「不便と感じることある?」
子「起きてから学校行くまでの時間が足りない」
…早く起きろよと言いたいとこですが、ポジティブに受け止めれば、これもナイスな問題点なんです。
テーマは自由研究で「時間の有効活用法」として、身支度に必要な生活用品の配置を変えたり、自分の動く動線を変えたりして、効果を評価する研究ができそうです。
と、お子さんの回答が仮に単純なことでも、テーマを見つけようとする気持ちで受け止めれば、意外にもたくさん見つかるものです。
子どもは親よりも考え方が柔軟なので、質問することで、期待以上の答えが返ってくるかも知れませんよね。
A準備品のメドのつけ方
テーマをクリアするために必要となりそうなものを考えて、準備すべきもののメドをつけましょう。
聞いたことあるかと思いますが、
“段取り八分の仕事二分”
ということわざがあります。
「段取り」とは歌舞伎からきていて、芝居の運びや構成を言っているそうです。(諸説あり)
段取りに時間を割くことで、仕事の成果が上がることを指しています。
(準備に時間をかければ、作業は手抜きでいいって訳じゃないですよ(笑))
ではしっかりと準備品について考えてみましょう。
大切なのは想像すること
考えてみたテーマを想像してみます。
ものづくりなら、
- どれくらいの大きさ?
- 組立て、接続方法は?
- 材質は?
- 工具は?
などと、考えてみて、
自由研究なら、
- どこでする?
- 何を使う?(見る?)
- スケッチする?(写真撮る?)
などと、考えてみたりします。
そして、考えてみたことをストーリーで想像しながら、メモに箇条書きします。
メモなので丁寧に書く必要はありません。思いつくままでいいんです。
せっかく思いついたことを忘れないでおくためです。
始める場所から、手元にどういったものがあって、作業を始めて、完成するとなると…と想像の世界で流していくと、必要なものが少しずつ見えてきます。
情報を集める
上記の想像のなかで、ハッキリしていないものを調べ出します。
きっと過去の経験にないものは想像しにくくてハッキリしてないはずです。
例えば
「木材とプラスチックをつなぐのにどうすればいいか解らない」
といった疑問がれば、インターネットで調べます。
現代は、インターネットの普及により調べて解らないことはまずないですよね。
木材とプラスチックは、クギ、ネジ、ボルト・ナット、接着剤、両面テープなどで繋ぎますが、どれが適しているかも調べます。
ここでも調べたらメモです。
色々考えていくと、始めのことの考えは忘れてたりします。私は(笑)
親である以上は、他にもすることいっぱいありますし、記憶が飛び易いんですよね。
だからメモも大切です。
想像と情報をつなぎ整理する
想像の世界と情報から、適するものを選び出します。
きっといっぱい考えて、調べただけ「準備品」のメドがついているはずです。
そして、それらを分類して整理します。
- すでに持っているもの
- これから買うもの(お店で買うもの、通販で買うもの)
スピード優先なのか、金額優先なのかも考えておきましょう。
これらを繰り返していくと、経験値により考え方がパターン化し、早く確実に準備品のメドがつけれるようになります。いわゆるレベルアップですね。
「経験値が溜まればレベルアップ」と、冒険物のゲームみたいな話ですね。ゲームに適用した開発者はすごいですね。
段取り八部の仕事二分
将来、社会に出て行くお子さんには是非とも身につけさせてあげたいスキルですので、なるべく一緒に悩んでみたいところです。
B所要時間の考え方
なにかを始めるときに所要時間の設定というのはとても重要なことです。
時間を少なめに設定している場合
やり始めたはいいけど、思ったより時間がかかりモチベーションが下がる。結果、諦めたくなる。
それでもゴールまで辿りつくのであれば問題ないが、諦めた場合はそれまでに費やした時間がムダとなってしまう。
時間を多めに設定している場合
少なめほど問題はないが、「時間がかかり過ぎるしなー。」と実はクリア可能なテーマでも諦めてしまっている場合がある。
時間の格言があります。
“時間は希少な資源である。時間が管理できなければ、他の何事も管理できない。”ピーター・ドラッカー(経営学者)
説教じみてますが、共感しますし、好きな言葉です。
では、うまく管理できるように考えていきましょう。
@買い物に必要な時間を考える
- 買い物メモを作成する時間を考えます。(メモがないと買い物自体に時間がかかり、買い忘れの二度手間も怖い)
- ホームセンターや100円均一で買い物する時間を考えます。移動時間も忘れずに。
- 通販を利用するのであれば、注文から入荷に関してだけ考えればいいですが、入荷までの期間を気にする必要がありますね。思いたってから行動に移すまでにタイムラグがあるのが難点です。(自分の行動時間短縮の観点ではコストパフォーマンスが良いです)
- 買わなくても持っているものの確認時間も含みます。(持ってるはずが…無い!も二度手間です)
Aものづくりや研究に必要な時間を考える
慣れているのと、そうでないのとで個人差がありますし、慣れていないと考えることも難しいかもしれません。
作り始めから完成までを一連として捉えてしまうと難しいので、区切ってブロックごとに考えてみると整理し易いです。
[自作扇風機の例]
- 土台と骨組みをつくる
- 駆動部と羽を取り付ける
- 配線して動かす
…をそれぞれ考えてみる。
B仕上げに必要な時間を考える
忘れがちな項目です。ものづくりも自由研究もひと通り完成してから、修正や飾り付けなどの仕上げがあります。そして結構時間を消費します。
せっかく作り上げたものをより良く見せたくなるのは当然ですよね。とても大切な感情です。
C繋ぎに必要な時間を考える
これも忘れがちな項目です。上記@からBがスムーズに流れるとせずに、それぞれ繋ぐために時間が発生することを考えます。安全時間(保険的な)を持っておきます。
D時間の合計と、使用可能な時間の整合
上記@からCを合計した時間と、ご自分の生活スケジュールの中で使用できるを比べて、無理がないか確認します。
前記事の「準備品のメドのつけ方」にも書きましたが、
これらを繰り返していくと、経験値により考え方がパターン化し、早く確実性の高い時間設定が可能となります。いわゆるレベルアップですね。
これも、お子さんには是非とも身につけさせてあげたいスキルですので、なるべく一緒に悩んでみたいところです。
慣れてくると頭の中で整理して、即行動してしまうのですが、スケジュールメモとしてノートなりに書き出した方が記憶に残りやすく次に繋がりやすいのでオススメです。
【補足】
一度設定したスケジュールはあくまでメドですので、ひと項目あたりの時間を徹底的に守ろうとすると疲れます。
上記Dの把握が一番の目的なので、矛盾しているようですが行動したら時間管理はほどほどにして、
なにより楽しむことを優先して頂きたいと思います。
親子で楽しむものなので、ピーター・ドラッカーさんも甘くみてくれることでしょう。(笑)
Cゴールの見つけ方
次は「ゴールの見つけ方」についてです。
前述の、
@テーマの見つけ方
A準備品のメドのつけ方
B所要時間の考え方
…を進めていくうちに、実はゴールは大体見えてきてるのではないかと思います。
記事の整理上、C番に位置づいてますが、どの場面でも「ゴール」という完成品の姿を想像しながら考えてきたのではないでしょうか。
あとは、その完成品を
どうするのか?までを考えてみて、問題があれば@,A,Bへ反映してより良い「ゴール」としましょう。
- 危険なところはないか
- 持ち運びにどうか
- 学校などではどう扱われそうか
- 次への課題は含まれているか
危険なところはないか
お子さんが取り扱う以上は「安全であること」が1番ですよね。テーマ自体が危険物を使ったりしないことはもちろん、工作品が構造上鋭利(尖っている)でないこと、制作過程に危険な工具を使用するなどが予想されるのであれば、安全に進めるためにはどうしたら良いか考えて対処しましょう。場合によってはテーマ自体を見直すこともあり得ます。安全にはお金も時間も使っていいんです。「安全第一」です。
持ち運びにどうか
以外にも作ってから、気付くことってあるんですよね。それが、「作品自体の大きさ」。自由研究でレポート自体が大きいとかも当てはまります。
お子さんが学校に待って行くことを想定しましょう。
私は過去に持ち運びに使う容れ物を決めた後に、それに収まるであろうサイズの理科工作とは?と考えてみたこともあります。
うちの子は道中で壊れたりすると、取り乱しそうなので…(笑)
学校などではどう扱われそうか
これも、持ち運びと似ていますが、いざ展示されて似た年代の子ども達がある程度自由に触っても良いように考える必要があります。
失いやすい部品が無いようにとか、必要であれば紐で繋いでおくとか。
せっかく作ったものが、触られてるうちに壊されちゃってるというのも悲しむでしょうから、耐久性はある程度確保しておきたいところです。
次への課題は含まれているか
理科工作では、作品説明のどこかに、また、自由研究では次回への課題などがそうですが、前準備の段階で、今取り組もうとしていることが出来上がる頃に、次回へ向けての課題はどんなものがあるだろうかと想定しておきます。お子さんではなく、フォローされる親御さんで考えられるところですね。ここまで構えておけると、良い作品,良い研究に繋がります。
【まとめ】
いかがだったでしょうか。
@テーマの見つけ方
A準備品のメドのつけ方
B所要時間の考え方
Cゴールの見つけ方
この@からCのステップを考えて整理していきば、ものづくりという理科工作や自由研究などへの取り掛かり方が上手になっていくと思います。
「いやー、ぜんぜん苦手だけど。」と思われる方も悲観することはございません。
誰しも生まれながらにして得意な人はいません。
繰り返し経験することによって絶対に身につけることができるスキルなんです。
親御さんにしてみれば、ひとつの宿題イベントに過ぎないかも知れませんが、
お子さんにとっては経験したことが積み重なって、
「自分で考えて、自分で動く」
自立性の高い人間へと成長していく過程のひとつとなり得ると思います。
たくさんチャレンジする機会を作ってあげて頂きたいです。