“よそ見”って?
トスアップでもレシーブでもスパイクでも…こんなシーンで、あなたは“よそ見”してますか?
よそ見とは、見るべき対象から目を逸らして他のものを見ること、気が散って他のものに目が行くことなどを指します。
このシーンでの見るべき対象といえば…そう!ボールです。
今、自分にまわってきたボールをどうするか考えるべきなので、見るべき対象はもちろんボールなのです。
意図して“よそ見”する。それは「ボールを良く見る」といったセオリーに反して行う、上級テクニックなのです。
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“よそ見”とは
この“よそ見”はソフトバレーだけでなく、6人制などの硬バレーでもサッカーでも、
色々なスポーツで活用されていますが、自分の(処理すべき)ボールと判断してから、
コンタクト(接触)するまでの間に、いったんボールから視線をはずすことを指しています。
そしてその目的は、本来見るべき対象であるボールから、あえて視線をはずし自分以外の状況を確認することです。
判断からコンタクトまでの間には、ある程度の時間と自分自身の余裕が必要となりますので上級テクニックとしています。
“よそ見”の使い方−セッター編−
“よそ見”テクニックで一番活躍するのがセッターです。
硬バレーでも上手なセッターはこれをやります。
もちろんソフトバレーでは「セッター」という固定ポジションはありませんので、トスアップをするプレーヤーを指します。
まず、レシーブされたボールが上がってきたら…自分が処理すべきボールはどんな状況かを確認します。
- どんな高さ
- どれくらいのスピード
- どんな回転
そして、スパイカーは準備できているか(助走を取れる状況にあるか)を瞬時に判断して“よそ見”をします。
※ここでレシーブが乱れていたら、よそ見しません
その視線の先は何を見ているかというと、“相手コート”。
相手のレシーバーの位置、ブロッカーの位置を目で見て確認してから、今まさに空中に浮いているボールに視点を戻します。
そこで、入手した情報をもとに、どこにトスしようか?ツーアタックしようか?などと選択して行動するのです。
得た情報量の分、得点できる可能性があがります。
「レシーブしてからトスをあげるまでの間にそんなことするの?」という不安があるかと思います。
確かにレシーブされてから手にボールが届くまでの時間はほんの数秒でしょう。
しかしこれが不思議とできるようになるのです。
まずは試して、慣れることが重要です。
最初は確認時間を長めに取れるように、高めのレシーブを上げてもらって“よそ見”を試してみましょう。
「トスする前に、相手コートに一瞬だけ顔を向ける」からはじめると簡単でいいと思います。
“よそ見”の使い方−レシーバー編−
セッター編同様に、自分が処理すべきボールはどんな状況かを確認します。
瞬時に判断して“よそ見”をします。
※ほぼチャンスボール限定?その視線の先は何を見ているかというと、自分以外の状況です。
セッターは間に合いそうか、スパイカーは準備できているか?
他のプレーヤーが準備万端であることを確認できれば、低く速いレシーブをあげてクイックなどの速攻につなげたいところです。
前述のセッター編に対して、速いレシーブをあげるなんて矛盾してますよね?
これ、レシーバーとセッターのどちらが“判断の主導を握るか”によります。
レシーブのプレーで速い攻撃を促すことができますし、逆に時間を持たせてあげることもできるんです。
メンバーとよく相談して、チームカラーにあった選択をしましょう!
ちょっと視点の違う使い方ですが、レシーブ前にスパイカーを見て“アイコンタクト”でツーアタックのサインを送るのも面白いです。
上手く伝わって速い攻撃を決めれば爽快ですね!
“よそ見”の使い方−スパイカー編−
セッター、レシーバーと少し違って、スパイカーでは良いトスに対しては、完全に視線を外すことはあまりないです。
しっかりミートすることが大切ですから、ボールは見てます。
ではなにが“よそ見”なのか?
ボールを見ているけど、見過ぎていない のです。
ボールにピントは合っていますが、ボールの背景に意識を持っていってます。
硬バレー経験者ですとピンとくるかもしれませんが、スパイク打つ前に、相手ブロッカーの手の位置がボヤっと認識できるんですよね。直視していないのに。
具体的でなく申し訳ないのですが…“なんとなく見えてる” です。
これも、「トスがあがれば、スパイクを打つことは難しくない」ぐらいの慣れが必要で、そこからボール以外に意識を向ける余裕が生まれるのです。
ちなみに、究極の集中状態“ゾーン”に入ると、ブロックどころかレシーブ位置までも見えます。
実はこれを言うプレーヤーは意外?にも多くいらっしゃって。
どうやら限られた人間だけに与えられた能力ではなさそうです(笑)
それともうひとつ、レシーブが乱れるなどで、高く上がったきたトス。
これに対しては時間があるので、視線を外して相手コートを確認する“よそ見”をします。
- ブロック2枚がしっかりいるなら強打はやめて、レシーブ位置見てフェイント
- ブロックが離れて、フェイントや軟打(ハーフスパイク)を警戒しているなら、強打
といった使い方です。
これは前述の“なんとなく見る”より簡単なうえに効果も高いです。
さいごに
これらのテクニックは、最初は意識してやり始め、いつの間にかクセになっていきます。
無意識にまわりの状況を見ることができるようになるため、視野が拡がります。
どんなことでもまずは試してみる,始めてみることが大切です。
ソフトバレー経験の浅いプレーヤーにはまだ難しいと思いますが、慣れてきましたら一度試してみてはいかがでしょう。
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