リードブロックとコミットブロックの違いと効果
日本代表バレーボールの試合などで解説者が「今のはリードブロックだから…」「今のはコミットブロックですね…」なんて話してますよね。
相手攻撃に速攻(クイック)の可能性がある場合のブロック技術となるのですが、そもそも“リードブロック”,“コミットブロック”って何なんでしょう?
今回はそのブロックの違いと効果的な活用場面についてご紹介します。
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リードブロックとは
リードブロックとは、相手プレーヤーの「この人が打ってくる!」と確認できてから飛ぶブロックです。
ブロックポイントを取ることよりも、ノーブロックで打たせないことを優先した守備的ブロックといえます。
リードブロックの仕方
ブロックで飛ぶタイミングを測る目標を“ボール”とします。
相手セッターがトスアップしたボールを自分が打つように追いかけて飛びます。
ブロックは飛んでから形が整うまで、タイムラグがありますよね。
このタイムラグの分、相手スパイカーにとっては有利となります。
「あ!速攻トスだ!」と解ってから、どれだけ速くブロックの手を出せるかがカギとなります。
相手攻撃スピードが速ければ速いほど遅れて飛ぶことになりますから、ブロックポイントに届かないまでも、スパイクコースを塞ぐ、またはコースを限定させて打たせる。そしてブロックの手に当てて(ワンタッチ)、味方のレシーブにつなげるといった使い方をします。
コミットブロックとは
コミットブロックとは、相手プレーヤーの「この人が打ってくるだろう」と予測して飛ぶブロックです。
ブロックポイントを優先し、予測が外れたときにはブロック枚数が減り、下手するとノーブロックにしてしまうリスクがあります。
リードブロックを守備的とするなら、コミットブロックはドシャット(ブロックポイント)を狙った攻撃的ブロックといえるでしょう。
コミットブロックの仕方
ブロックで飛ぶタイミングを測る目標を“セッター”とします。
厳密にいうと、予測をたてるために必要な要素すべてが対象です。
予測で飛ぶブロックで防ぐべき相手の攻撃は速攻(クイック)であり、コミットブロックはリスクのある選択となります。
だからといって、適当にヤマを張って、みすみすブロックを外す訳にもいきません。
ですから、予測の正解率を引き上げるために情報収集が必須なのです。
セオリーはセッターの特徴
セッターが速攻をあげるときの特徴を掴みます。
上手い人ほどどんなトスも違いなく上げるものですが、アマチュアクラスでは違いがあることが多いため、先ずは特徴を注視します。
例えば、
- ジャンプトスをするときは速攻を上げることが多い
- ボールに触れる前の腕が伸びていたら速攻(曲げていれば足の長いトス)
- ネットから離れていたら速攻上げてこない
などといった特徴があれば、これを頼りに判断します。
上手なセッターの場合、これを相手が知っているとして、敢えて逆に速攻あげてきますけどね(汗)
余談ですがセッター視点でひとつ。ネットから離れたトスを追いかけながらグッと身体を沿って、速攻に上げるとブロックを外し易いです。
斜め後ろから上がってくるトスを打てるだけの技術がスパイカーにも必要ですけど(笑)
チームの特色
これは相手チームが速攻好きか?そうでないか?です。
アマチュアですとそれぞれですから、速攻ゼロのチームもたまにはいますよね。
サイドで打つスパイカーが2枚ブロックついてもガンガン攻めることができるチームも速攻は少ないです。
そんな相手チームの特色から判断します。
試合の流れ
目には見えない“試合の流れ”というものがあります。特にバレーボールというスポーツにおいては重要な要素となります。
押せ押せムードや我慢が続くムードなんてものもありますよね。
相手セッターの心理でいうと、点差に余裕があったり、連続得点などチーム盛り上がっているときは速攻(クイック)トスが上げ易いです。
また、相手チームがバタバタしているときも上げ易いです。というよりこの場合は速攻選択がセオリーです。
逆に、相手にいい雰囲気で攻められ、追い込まれている状況では速攻は上げにくいです。
タイミングが命の速攻はそれだけでリスクのある選択肢ですから。
そんな“流れ”を敏感に感じ取って「ここは速攻使ってくるだろう」と判断し、コミットブロックをします。
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ソフトバレーに向いているブロックはどっち?
ソフトバレーに向いているブロック。それはズバリ“リードブロック”です。
なぜかというと、ソフトバレーボールのルールではオーバーネットができないから。
オーバーネットとは「ボールと自分の身体との接触点が相手コートにある場合」をいって、ファールとなり即失点。
自コートと相手コートとの境界はネットになり、その境界を手などが越えて“ボールに接触した瞬間”をファールとする。
ということは、コミットブロックでドンピシャのタイミングで飛んでも、ボールの吸い込みやブロックアウトで失点する可能性があるということになり、ブロックが外れるリスクをおってまで選ぶ価値が低いだろうと考えることができます。
6人制バレーであれば、オーバーネットはファールではないため、速攻に対してコミットブロックで思い切りオーバーネットしたら、高確率でドシャットできるのですけど。
ソフトバレーでは、守備的ブロックである“リードブロック”をセオリーとして試合を組立てるほうが理にかなっているということになります。
“リードブロック”で、遅れても確実にワンタッチでレシーブにつなげるといった技術を身につけたいですね。