侮れないウイルス性発疹症“風しん”が現在も流行中。その追加的対策とは?


新型コロナウイルスの陰で、今なお猛威を振るう“風しん”。


その流行にストップをかけるべく講じられる追加的対策とはそういったものでしょうか。

 

風しんとは

その病名こそよく聞きますが、その正体はどういったものでしょう。

  1. 症状: 発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするが、15から30%は無症状である。
  2. 潜伏期間: 14から21日間。
  3. 感染経路: 飛沫感染。感染力が強い(発症約1週間前〜発疹出現後1週間程度感染力がある)。
  4. 治療・予防: 対症療法のみ。予防にはワクチンが有効。

ほかにも国立感染症研究所によると、

風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。

 

症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。

 

風疹に感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群※を発症する可能性がある。

 

※先天性風疹症候群 とは
風しんに対して免疫のない女性が、特に妊娠初期に罹患(らかん)した場合に出生児に引き起こされる障害。

出生児に引き起こされる障害としては、

  • 先天性心疾患、難聴、白内障が三大症状
  • ほかに網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球など

男女ともがワクチンを受けて、まず風疹の流行を抑制し、女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要である。

 

特異的な治療法はない

同研究所によると、発熱、関節炎などに対しては解熱鎮痛剤が用いられるが、特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法のみであるとのこと。


ですから、感染を未然に防ぐことが第一優先であり、流行を抑えることが重要とされているのですね。

 

出典元:国立感染症研究所

 

公的に予防接種が行われてない世代

風しん予防には予防接種をすることで身体に抗体(免疫)をもたせることが重要です。
厚生労働省によると、

 

昭和37年度〜昭和53年度生まれの男性
(41歳から47歳の方 ※2020年4月1日時点)

 

公的に予防接種が行われていない世代だということで、抗体をもっていない可能性があるため、風しんにかかり、家族や周囲の人たちに広げてしまうおそれがあるとのことです。

 

世代に焦点をあてた追加的対策

厚生労働省は、この公的に予防接種が行われていない世代(41歳から47歳の方)に抗体検査で抗体をすでにもっているか確認し、もっていなければ予防接種を受けてもらうことを追加的対策としているようです。


この年代の男性の皆様がこれから抗体検査を受け、必要な予防接種を受けると、免疫を持っている人が増え、風しんの流行はなくなると言われています。

このため、該当される男性には“クーポン券”が届きます。

 

お住まいの市区町村から、段階的に風しん抗体検査と予防接種のクーポン券をお届けしています。

※市区町村によっては今年度(令和元年度)中に市区町村で受け取ることもできます。


ご希望の方は、お住いの市区町村にお問い合わせください。


クーポン券をなくされた方もお住いの市区町村にお問い合わせください。

 

@市区町村からクーポン券が届く

開封して中身を確認

A風しんの抗体検査を受ける(無料)

検査は、健康診断等か、医療機関で、採血して行われます。

結果が分かるまでに数日かかる場合があります。

 

  • 健康診断の機会に受ける勤め先の健康診断の際に、抗体検査を受けられる場合があります。(詳しくは勤め先の担当者へ)
  • 人間ドックの際にも抗体検査を受けられる場合があります。(詳しくは受診する医療機関へ)
  • 検査の際に、クーポン券をご持参ください。
  • お近くの医療機関で受ける場合全国の4万か所以上の医療機関(診療所など)で、検査を受けることができます。
  • クーポン券は全国どこでも(住所のある市区町村以外でも)使用できます。クーポン券を使用できる医療機関のリストはこちら(検査を受けられる曜日など、受診する医療機関へご確認ください。)

 

B検査の結果を聞き、免疫がない場合は風しんの予防接種を受ける

検査結果は、検査を受けたところで確認してください。

(健康診断の結果とともに通知される、検査を受けた医療機関に問い合わせる など)


風しんへの免疫がなかった方(十分な量の抗体がなかった方)は、予防接種を受けてください。

検査の結果、十分な抗体があった方、予防接種は不要です。

  • 全国4万か所以上の医療機関(診療所など)で、予防接種を受けることができます。
  • クーポン券は、全国どこでも(住所のある市区町村以外でも)使用できます。
  • 予防接種を受ける際に、クーポン券と本人確認書類をお持ちください。

 

風しん追加的対策の促進

この年代の男性の皆様がこれから抗体検査を受け、必要な予防接種を受けると、免疫を持っている人が増え、風しんの流行はなくなると言われています。


本追加的対策の途中報告として、対象者のうちまだ16.1%(約109万人)※しか実施されていないとあります。


※平成 31年4月1日から令和元年11 月末までの間にクーポン券を使用し抗体検査を受けた方を対象

 

ウイルス性発疹症“風しん”が現在も流行中。追加的対策とは?

 

2020年夏には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、訪日客の増加が見込まれるため、より多くの方に早急に風しんに対する免疫を獲得していただくことが重要となります。

 

この記事を読まれたあなたがもし、昭和37年度〜昭和53年度生まれの男性であり、かつまだ抗体検査を受けられていないようであれば、

あなた自身と、これから生まれてくる世代の子どもを守るために、ぜひクーポン券を使って風しん抗体検査と予防接種を受けてしまいましょう!